“科学においては仮説の価値は掴みどころがないかもしれない。ところが金融市場においては、それがもたらす利益によって即座に計算することができるのである。それが一般にうけいれられるようになるだけで、仮説が利益をもたらすのだ。そこには当然に欠陥がある。しかし、その欠陥がどこにあるかが見えさえすれば、その可能性のある仮説にこそ、私は大きな投資をすることを好んできたのである。カール・ポパーから学んだことはそのことだった。” – ソロス
松岡正剛曰く、「検証と反証は一緒くたにすべきではなかったのである。そのかわり、そこにリフレクシビティreflexivity やファリビリティの要素 (1-2 We are fallible) を組みこめば、ひょっとするとその非対称性こそが動きだして、新たな価値を生むかもしれなかった。ソロスは仮説の大きさがもつ特色に惹かれた。そして、1-2f1b7 世の中に流布する仮説との違いが大きければ大きいほど、利益の潜在的可能性が大きい はずだと確信した。もしそういう違いがないのなら、たとえ投資家であろうとも、売買持ち高のポジションをとってもしょうがないと判断したのだ。(2-1a Information is in the difference. No difference, no information. 情報とは差異. 区別のないところに情報は生まれない.)) これは、ポパーが「1-2f1b8 検証が厳しければ厳しいほど、それに耐える仮説の価値は大きくなっていく」と言っていることをソロスふうに拡大解釈して、その原理をぴったり対応させたものだった。(1-2g2c1 Testability matters only when you have a good explanation (hard-to-vary explanation)) 投資プロセスに「アブダクション」(仮説形成)が関与することになったわけだ。(1-1a5 We always reason abductively)」
“A great reputation is like virginity” – Warren Buffett
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